原爆の放射線や抗がん剤などの化学物質は、染色体DNAに様々な障害をもたらします。細胞には、傷ついたDNAを修復するシステムが備わっています。
しかし、修復の途中でエラーが発生してしまうと、染色体DNAに刻まれた遺伝情報が改変されてしまいます。
このことが、白血病やがんなどの様々な健康障害の原因となると考えられています。
一方、近年の顕微鏡技術の進歩は、細胞核の中の非常に微細な構造や生きた細胞での様々なタンパク質の動きを観察することを可能にしました。
また、画像解析技術の進歩により染色体画像などの解析効率が非常に高くなり、これまでとは比較にならないような大量のデータの処理が可能となってきました。
私たちは、DNA修復システムと細胞核の構造との関係を明らかにするために、最新の顕微鏡や画像解析技術を用いた研究に取り組んでいます。
さらに、これらの研究から得られた知見や技術を用いて、次世代の放射線医療の確立を目指す研究に取り組んでいます。